導入費を抑えつつPOSレジを導入する方法として、Airレジ(エアレジ)が人気を集めています。
インターネット環境と必要な機器さえ揃えれば、個人店でも導入できます。
この記事では、Airレジ(エアレジ)の主な機能や導入に必要な機器、メリット・デメリットについて解説します。
Airレジ(エアレジ)とは?基本情報まとめ
Airレジ(エアレジ)は、リクルートが提供するPOSレジシステムです。
2023年の調査において、利用率No.1となりました。(出典:株式会社リクルート/調査委託先:マクロミル/調査実施時期:2023年12月4日(月)〜2023年12月11日(月))
基本情報は、下記のとおりです。
提供会社 | 株式会社リクルート |
導入費 | 無料(※別途機器の購入費が必要) |
店頭販売 | あり(全国のAirレジサービスカウンター※ビックカメラ内) |
サポート | あり(年中無休・9:30~23:00※チャットサポートは20:00まで) |
他サービスとの連携 | 可能 |
そもそもPOSレジとは、販売時点情報管理(Point of Sale)システムを搭載したレジをさします。
Airレジ(エアレジ)も、基本的な注文入力や会計に加えて、さまざまな機能を搭載しています。
グループ会社や他社の一部サービスとも連携できるため、事業内容に合わせてカスタマイズできる点も魅力の1つです。
Airレジ(エアレジ)のメリット
Airレジ(エアレジ)を利用するメリットは、下記のとおりです。
- 無料でPOSレジを利用できる
- 数分で利用開始できる
- 屋外でも利用できる
- 機能が充実している
- 操作が簡単
- サポートが充実している
Airレジ(エアレジ)は、iPhoneまたはiPadに専用アプリをダウンロードして使用するシステムです。
POSレジ機能の利用料金は、初期費用も月額費用も基本的に無料です。
公式サイトにてAirIDを新規会員登録で作成して、App Storeでアプリをダウンロードするだけで即座に利用できるようになります。
通信はdocomo、Softbank、auなどのキャリア通信またはWi-Fiを利用するため、インターネット環境さえ用意できれば屋外でもレジを利用できます。
機能も豊富で、たとえば飲食店向けの予約管理や席管理、複数アカウント作成でスタッフの増減に対応するなど、業種や規模に合わせて活用できるのも魅力です。
Airペイをはじめとした、さまざまなリクルートのサービスとも連携可能です。
管理機能はiPhoneやiPad以外からも操作できるので、リモートワーク先でも売上の集計や分析などができます。
売上や客数などデータは自動で集計されるうえ、画面デザインもシンプルなので、誰でも簡単に操作を覚えられます。
軽減税率対策など、法改正による面倒な設定や操作もPOSレジ機能なら手軽です。
分からないことがあっても、電話・メール・チャットで相談できる年中無休のサービスがあるので心配いりません。
全国のビックカメラ内に設置されているAirレジサービスカウンターでは、Airレジ(エアレジ)に必要なiPhoneやiPad、レシートプリンターなど、必要機器を店頭購入できます。
実際に手で触って操作のしやすさを確認できるので、不安な方は一度Airレジサービスカウンターでレジ機能に触れてみてはいかがでしょうか。
Airレジ(エアレジ)のデメリット
メリットが多い一方で、Airレジ(エアレジ)には下記のデメリットがあります。
- Android端末で利用できない
- 周辺機器の購入が必要
- キャッシュレス決済は別途契約が必要
- 海外では利用できない
Airレジ(エアレジ)のサービス提供は、iPhoneとiPadのみです。
Android端末は対象外となっているため、Appleユーザー以外は新たにレジ用の端末を購入しなくてはなりません。
iPhoneやiPadを所有している方も、レシートプリンターなどの周辺機器は別途購入が必要です。(必要な周辺機器については後述します)
Airレジ(エアレジ)はあくまでPOSレジ機能の提供がメインであり、クレジットカードやQRコードなどのキャッシュレス決済は搭載していません。
キャッシュレス決済に対応したい場合は、別途契約が必要です。
また、屋外での利用はできるものの、海外はサービス対象外となっています。
以前は英語版のサービスが提供されていましたが、2016年にサービスを終了しました。
Airレジ(エアレジ)の利用で必要な端末
ここでは、Airレジ(エアレジ)を導入するときに必要な端末について解説します。
POSレジ機能のみ利用したいのであれば、iPhoneまたはiPadさえあれば十分です。
ほかにも、用途に合わせてカスタマーディスプレイやキャッシュドロアなど周辺機器を組み合わせて利用できます。
Airレジ(エアレジ)公式サイトでは、導入時のおすすめセットが紹介されています。
Airレジ スターターパック(スター精密 mPOP セット) | Airレジ スターターパック(SII レシートプリンターセット) | |
価格 |
iPadなし:84,000円(税込) iPadあり:142,800円(税込) |
iPadなし:52,400円(税込) iPadあり:111,200円(税込) |
セット内容 |
・iPad(Wi-Fi 64GB – 10.9インチ) ・mPOP(レシートプリンター内蔵キャッシュドロア) ・ロール紙(58mm) ・カンタン初期設定ガイド |
・iPad(Wi-Fi 64GB – 10.9インチ) ・レシートプリンター ・キャッシュドロア ・ロール紙(58mm) ・カンタン初期設定ガイド |
両タイプの大きな違いは、レシートプリンターとキャッシュドロアが別々になっているか、1台になっているかです。
レジカウンターのスペースを圧迫したくない方は、コンパクトなキャッシュドロアにレシートプリンターが内蔵された「Airレジ スターターパック(スター精密 mPOP セット)」がおすすめです。
ほかにも公式サイトではおすすめのバーコードリーダーや持ち運びできるモバイルレシートプリンターなど、さまざまな周辺機器が紹介されています。
また、自動つり銭機の同時導入も相談できます。
周辺機器の耐用年数は公式には開示されていないものの、ビックカメラでも取り扱われている機器を組み合わせて使用するため、万が一古くなって壊れたとしても、心配はいりません。
不具合が出たもののみ買い換えたり、修理に出したりできます。
主要の機能もiPhoneやiPadのアプリを使用しているので、中古品で安く済ませるなど、端末の買い換えがしやすいメリットがあります。
Airレジ(エアレジ)の機能
Airレジ(エアレジ)に搭載されている基本機能は、下記のとおりです。
- 注文入力・会計
- 点検・精算
- 売上分析
- 顧客管理
- 商品管理
- 基本情報設定
POSレジ機能の魅力は、商品登録をしておけば自動で在庫や売上を集計してくれるうえ、レジ打ち作業が手軽になることです。
商品登録時に単価を登録しておくと、レジ打ちは商品名と数量を入力するだけで、自動で合計金額を表示してくれます。
入力ミスを防げるのみならず、お客様をお待たせしないメリットもあります。
商品登録は最大1万件、バリエーションは各商品30件、カテゴリーは最大200件まで登録できます。
Airレジ バックオフィス内の「商品一括編集テンプレート」ファイルや、「商品一括編集」CSVファイルで大量の商品も一括登録できるので、品数が多いお店にもおすすめです。
また、Airレジ(エアレジ)は上記のほかにもグループ会社のサービスや一部の他社サービスとも連携可能です。
たとえば下記のサービスと連携すると、より利便性がアップします。
サービス名 | 機能・効果 |
Airペイ・Airペイ タッチ | クレジットカード決済・電子マネー決済を導入できる |
Airペイ QR |
QRコード決済を導入できる クーポンを発行できる |
Airペイポイント | 共通ポイントを付与・使用できる |
Square | 他社サービスのキャッシュレス決済を導入できる |
freee会計 | 他社の会計ソフトに会計データを自動反映できる |
弥生シリーズ | |
マネーフォワード クラウド会計・確定申告 |
上記は、連携できる機能・サービスの一部です。
Airレジ(エアレジ)を利用するときに新規会員登録するAirIDは、上記で紹介したAirペイなどのほかにも、さまざまなリクルートのサービスに紐付いています。
たとえば経営サポートサービスのAirメイト、請求書支払いアプリのAirインボイス、給与支払いシステムのAirワーク給与支払、シフト管理に役立つAirシフトなどがあります。
飲食店のほか、医療施設でも活用できる予約システムもあるので、Airレジ(エアレジ)は幅広い業種におすすめです。
Airレジ(エアレジ)の使い方
ここでは、Airレジ(エアレジ)の導入方法や使い方を解説します。
Airレジ(エアレジ)に限らず、Airペイなども含めたAirシリーズをはじめて導入する場合は、新規会員登録でAirIDを作成するところから始めましょう。
導入から最初の利用までの流れは、下記のとおりです。
- Airレジ(エアレジ)公式サイトでAirIDを作成する
- iOS端末に専用アプリをダウンロードする
- 周辺機器を用意する
- 初期設定を行う
- Airレジ(エアレジ)アプリにログインして使用開始する
急ぎで周辺機器を手に入れたい方や、自分のお店にどの機器が必要か分からない方は、ビックカメラ内のAirレジサービスカウンターで相談してみましょう。
相談のみなら、公式サイトの「オンライン導入相談」サービスの利用もおすすめです。
公式サイトでは、初期設定の方法や運用テストについても相談できます。
初期設定は、周辺機器を接続するほか、アプリ内にお店の基本情報(営業時間や店名など)、商品情報の登録や、レシート発行などに必要な設定を行います。
設定が終わったら、レジ用のiPhoneまたはiPadでAirレジ(エアレジ)アプリにログインして、使用開始です。
Airレジ(エアレジ)と連携できるキャッシュレス決済代行サービス
デメリットでも触れたとおり、Airレジ(エアレジ)のみではクレジットカードやQRコード決済に対応できません。
キャッシュレス決済代行サービスを別途申し込んで、連携する必要があります。
公式サイトで連携可能と明記されているキャッシュレス決済代行サービスは、下記の3つです。
- Airペイ・Airペイ タッチ
- Airペイ QR
- Square
Airペイはクレジットカードのほか、交通系電子マネーや電子マネーに対応しています。
タッチ決済に対応したサービスとして、Airペイ タッチも提供されています。
サービスへの加盟を申し込むときは、同時にAirペイ QRやAirペイポイントにも申し込めます。
Airペイ QRは、QRコード決済をメインとしたキャッシュレス決済代行サービスです。
PayPayやd払い、楽天ペイなど国内の主要QRコードに加えて、WeChat Pay(微信支付)やUnionPay(銀聯)、Alipay+といった海外のQRコードにも一部対応しています。
インバウンド需要が見込まれる業種・店舗の方は、Airレジ(エアレジ)と併用することをおすすめします。
他社サービスでは、アメリカ発のSquareが公式サイトで連携可能と明記されています。
Squareも、クレジットカードやQRコード決済など幅広いキャッシュレス決済に対応しています。
Alipay+といった海外のQRコード決済にも一部対応しており、支払いURLつきの請求メールや手打ちでのカード情報入力による決済もできます。
Airシリーズに機能を追加するためのストア「Airマーケット」でSquareを選び、連携申請をして、Square側の管理画面で申請を許可すれば利用できるようになります。
Squareを利用するときは、事前にSquare公式サイトでの会員登録が必要です。
手数料を比較した場合、MastercardやVISAの支払いが多いお店は、Squareのほうが1.26%安くなる可能性があります。(年間売上などの条件あり)
MastercardやVISA以外のクレジットカードやQRコード決済などは、AirペイやAirペイ QRのほうが若干安くなります。
ほかの決済方法が多い方や、他社サービスへの登録が面倒な方は、同じグループ内のAirペイやAirペイ QRがおすすめです。
Airレジ(エアレジ)の導入に使える補助金はある?
Airレジ(エアレジ)を導入すると同時に周辺機器を揃える場合は、相応の費用がかかります。
初期費用を少しでも抑えたい方は、補助金の活用を検討しましょう。
キャッシュレス決済導入で利用できる可能性のある主な補助金は、下記のとおりです。
補助金名 | 実施団体 | 補助金額 |
自治体の補助金 | 地方自治体 |
1台につき10~50万円 ※東京都北区の場合 |
IT導入補助金 | 中小企業庁 | 2分の1以内(10~20万円) |
業務改善助成金 | 厚生労働省 | 一定の助成率をかけた金額と助成上限額のうち、低い金額 |
小規模事業者持続化補助金 | 商工会 | 50~200万円 |
さまざまな団体が年度ごとに実施しているため、上記以外にも補助金制度が見つかる可能性があります。
注意点は、補助金制度によっては従業員の賃上げを前提としているなど、いくつかの条件があることです。
各制度を確認して、自分のお店で利用できそうな補助金を探してみましょう。
まとめ
Airレジ(エアレジ)は、リクルートが提供するPOSレジシステムです。
大手企業が運営している安心感があり、実際、2023年の調査ではPOSレジシステムとしてNo.1の利用率となりました。
AirペイやAirペイ QRなど、リクルートが提供している他のサービスはもちろん、他社の会計ソフトなどとも連携できるので、業務効率の改善が期待できます。
POSレジシステムと同時にキャッシュレス決済や予約システムなど、ほかの店舗運営機能も充実化させたい方は、Airレジ(エアレジ)を検討してはいかがでしょうか。