新しくキャンプ場などのアウトドア施設を作る際に、ローカルSEOに注力すべき理由とやり方

道具さえ揃えれば安価に楽しめるアウトドアとして、キャンプが幅広い層から注目を集めています。

新しいキャンプ場やグランピング施設なども多く開設している近年、競合の中に埋もれないためには、効果的な施策による集客が欠かせません。

  • アウトドア施設の集客にウェブマーケティングは必要なのか?
  • ウェブマーケティングを取り入れた集客の効果とは
  • アウトドア施設に最適なローカルSEOとは

今回はキャンプ場などアウトドア施設の集客方法として、上記3つのポイントを中心に、ローカルSEOの重要性と活用方法を紹介します。

キャンプ場などのアウトドア施設はSEOを頑張るべきか

2020年に大手マーケティング会社がおこなったアンケート調査によると、キャンプに興味をもつ人の割合は、各年齢層で以下のとおりでした。

  • 10~20代:57.7%
  • 30~40代:50.7%
  • 50~60代:45.6%

引用:CCCマーケティンググループ「アウトドアに関するアンケート調査

50代以上の層はキャンプ歴10年を超える人の割合が群を抜いて多い一方で、40代以下はキャンプを始めて1年未満や2~3年以下と答える人も多いのが特徴です。
10〜20代の若年層は、キャンプ歴の有無にかかわらず、興味があると答えた人の割合が60%を超えており、今後もアウトドア関連商品の高い需要が見込まれます。

また、2021年におこなわれたグランピングに関する実態調査では、施設公式サイトから直接予約したと答える人が53.2%と、全体の約半数におよびました。

このことから、今後キャンプ場やグランピング場などのアウトドア施設を作る場合、幅広い層の取り込みを考えたPRや、公式サイトの充実化が集客に欠かせないといえます。

とくにアウトドア施設の場合、行政が無料または格安で運営しているところも多く、官民の両方に競合が存在する状態です。
数ある競合の中で自社の運営する施設を選んでもらうためには、SEOによる積極的な認知度の向上が求められます。

まず意識すべきは覚えてもらいやすい施設名

商品やサービスの認知度を向上させるために重要なのが、名前の覚えやすさです。

施設名を考えるとき、以下の点を意識してみましょう。

  • 第一印象で興味をもってもらえる
  • 口ずさみやすいシンプルな名前
  • 略しやすく親しみやすい
  • 名前だけで差別化できる

社会に浸透している商品やサービスの中には、リリース時に「変わった名前」「何それ?」とSNSで名前が話題となったものも少なくありません。

こだわりの施設にはおしゃれな名前をつけたいと思うものですが、重要なのはターゲット層に覚えてもらいやすく、親しんでもらえることです。
最初はダサいと思われるような単純なネーミングも、商品やサービスの特性を正しくとらえていれば、分かりやすいと親しまれるようになります。

また、あえて「何それ?」と話題にしてもらえる名前にすることで、認知度を急速的に向上させる効果も狙えます。

もちろん、シンプルで面白ければ、何でも良いわけではありません。
実際に検索してみて同じ名前の商品やサービスがある場合は、競合とならないように違う名前を検討したほうが良いでしょう。

口ずさみやすくスマホで入力しやすい、4文字程度の名前がおすすめです。

弊社の実体験をこちらの記事にまとめておりますので、よろしければご覧ください。
新規事業を立ち上げるにあたって考えた、検索で勝てる「ネーミング」や「広報」に関する事柄まとめ

地域関連ワードはローカルSEOを頑張るべき

キャンプ場などアウトドア施設のSEOを考えるうえで意識したいのが、地域関連ワードの存在です。

利用見込みの高い近隣住民に効果的にアプローチするためには、ローカルSEOに力を入れましょう。

ローカルSEOとはGoogleマップなどのマップアプリや、ローカルパックに施設情報を表示させるための施策です。
たとえばGoogleで「〇〇(地域名) アウトドア用品店」と入力すると、検索結果の画面でエリア内のアウトドア用品店情報がマップとともに表示されます。

このマップとともに表示される枠がローカルパックで、複数の競合の中で上位に表示されやすくする施策がローカルSEOの1つです。

ローカルパックの目立つ場所に施設情報が表示されるようになれば、施設名や詳しい地域情報を知らなかったユーザー層にもPRできます。
近隣に競合が多い場合や、そのエリアでのアウトドア施設ニーズが高い場合は、ローカルSEOに力を入れることで集客力を効果的に向上させられます。

アウトドア施設がローカルSEOを頑張るべき理由

インターネット上での集客方法は多々ありますが、中でもアウトドア施設がローカルSEOに力を入れるべき理由は、次の2点があげられます。

  • Googleマップの口コミを参考にする人が増えている
  • Google検索でユーザーの目にとまりやすい

それぞれの詳細を解説していきます。

Googleマップの口コミを参考にする人が増えている

マーケティングコンサルタント会社が2022年におこなったアンケート調査では、もっとも利用するマップアプリとしてGoogleマップがあげられました。

利用率は脅威の99.4%で、さらに新しい店舗や施設を利用するとき、70.1%の人が口コミサイトを参考とするとも答えています。

キャンプ場などアウトドア施設に特化した口コミサイトもありますが、Googleマップの利用率が高い点も考慮すると、やはり第一に重視すべきはGoogleマップの口コミ機能です。

Googleマップには住所や営業時間といった施設情報のほか、ユーザーが自由に投稿できる口コミ機能もあります。
星の数のみで手軽にレビューすることもできますが、熱心なファンの中には写真や体験談を沿えて詳しく書いてくれる人もいます。

Googleマップで施設情報をチェックしたユーザーが口コミを見て、好意的なコメントや高い評価が多ければ、新規顧客の獲得につながるでしょう。
反対に、Googleマップの口コミが悪かったり少なかったりすれば、「サービスや施設の質が悪い」「人気がない」と思われ、集客効果が期待できなくなります。

Google検索でユーザーの目にとまりやすい

Google検索でアウトドア施設を調べようとすると、ウェブサイトの検索結果よりも上にローカルパックが表示される仕組みです。

目に留まりやすいローカルパックは、マップ上で瞬時におおよその場所も分かるため、ユーザーの興味を引きやすくなります。

ただしローカルパックに表示されるのは、近隣の施設も含め、検索キーワードに適した内容です。
ローカルSEOをおろそかにすると、自社の施設情報が目立たなくなるおそれがあります。

ローカルSEOに注力することで上位に表示されれば、Google検索を利用しているユーザーの視線をより多く留めやすくなります。

キャンプ場などのアウトドア施設がローカルSEOを成功させるには

ローカルSEOを成功させるためには、Googleのローカルパックのみに施策をおこなうのでは不十分です。

キャンプ場などのアウトドア施設に最適なローカルSEOのコツとして、5つのポイントを紹介します。

全ての媒体でのNAP情報を統一する

NAP情報とは、名前(Name)・住所(Adress)・電話番号(Phone)の3つです。
Googleビジネス関連のプロフィールはもちろん、ほかの媒体においても、NAP情報を統一することが大切です。

異なる情報がふたつあると、ユーザーはどちらが最新情報なのか分からず、問い合わせを面倒に感じて競合へ流れてしまうおそれがあります。

また、電話番号の相違だけではなく、以下のこまかな点の違いにも注意しましょう。

  • 全角・半角
  • 大文字・小文字
  • ハイフンの有無
  • アルファベット表記とカタカナ表記の違い

Googleは視認性やユーザー間のトレンドなども参考に検索結果の表示順位を決めています。

一方がアルファベットでほかのメディアがカタカナ表記になっていると正確に認識されず、正当に評価されづらくなってしまいます。

各サービスの情報を充実させ、最新に保つ

Googleマップのほか、Appleマップや予約サイトなどのサービスもできる限り最新情報を掲載するように心がけましょう。

サービスごとに掲載情報でズレがあれば、ユーザーを混乱させるだけではなく、「移転前の電話番号に問い合わせされて受付できなかった」など機会損失につながります。
外部の予約サイトに登録している場合も、忘れずに情報更新をおこなってください。

また、掲載内容の充実度も集客効果を上げる重要なポイントです。

Googleビジネスプロフィールの場合、施設名のほかに営業時間や属性、ウェブサイトのURLなど複数の項目を登録できます。
施設名しか登録していない場合は、営業時間など必要な情報を追加しておきましょう。

とくにシーズン外に営業時間が変更になったり休業したりする場合、情報更新が欠かせません。
不正確で古い情報や不十分な情報は、利用後の口コミ評価を著しく下げる要因にもなるため、事前対策が必要です。

ウェブサイトの情報も最新にし、充実させる

ウェブサイトは、Googleビジネスなどほかの媒体以上に多くの情報を掲載できるメディアです。
住所や営業時間など基本情報に加えて、ユーザーが求めているであろう情報も、常に最新かつ充実した内容が求められます。

たとえば料金重視のユーザーの場合、より詳しい料金システムが掲載されているほうを選ぶでしょう。
子ども向け設備の有無やペット同行の可否、追加料金の有無など、可能な限り情報を掲載しておきましょう。

このようにウェブサイトの情報も最新かつ充実していると、ローカルパックでも様々なキーワードで表示されやすくなります。
以下の画像は、医療脱毛のキーワードでローカルパックに表示されやすくなっている事例です。

この2つの施設はGoogleビジネスプロフィール上に「医療脱毛」の表記はないのですが、掲載しているウェブサイト上に医療脱毛の表記があったためローカルパックに表示されました。

ウェブサイトの情報を充実させることで、「アウトドア施設」「キャンプ場」以外の意外なキーワードでPRできる機会が増えます。

投稿機能を活用する

Googleビジネスプロフィールにも、ブログやSNSのように最新情報を投稿できる機能があります。
イベント、キャンペーンなどを積極的に発信することで、活気のある施設であることをアピールしましょう。

こまめな更新は、営業時間などプロフィールの各項目も最新状態である、と証明する要素になります。

SNSでつながっていない層(偶然その地域の施設を検索したユーザーなど)にもイベント情報を提供できれば、集客力の向上も期待できます。

口コミをしてもらいやすい仕組みづくりをする

口コミを投稿するとき、ユーザー目線で考えると店名を検索して口コミページを開くのは面倒に感じるものです。

多くの口コミを得るためには、ユーザーにとって面倒と思うステップを可能な限り省略するなど、投稿しやすい仕組みを用意する必要があります。

たとえばGoogleビジネスプロフィールマネージャにある「最初のクチコミを獲得」もしくは「クチコミを増やす」と書いてある箇所からURLを取得する方法があげられます。

取得したURLをQRコードにすると、スマホのカメラで読み取るだけで口コミページにアクセスできるようになり、口コミを書いてもらえる可能性が高くなります。
QRコードは、無料ツールで誰でも手軽に作成可能です。

口コミ投稿ページに直結するQRコードをチラシやショップカード、レジ横のPOPなどに印刷して、少ないステップで口コミを書いてもらえるように仕組みづくりをしましょう。

悪い口コミにも真摯に返信するなど、丁寧な対応も口コミを増やすコツです。

ちなみに、「口コミを書いてくれたら〇〇円割引」など対価を提供することは、規約違反となることに注意してください。

まとめ

キャンプ場などのアウトドア施設を新しく作るときは、ローカルSEOに注力することで、施設名を知らないユーザーにも効果的にPRすることが大切です。
ユーザーの興味をつかみ、予約や来場といったアクションにつなげるためには、各媒体に掲載している情報の信頼性を維持しましょう。

常に新しい情報、正確で統一された情報を提供することで、キャンプ場などシーズンに左右されやすいアウトドア施設も、効果的に集客できるようになります。

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プロフィール

木村 正晴
木村 正晴代表取締役社長
2009年からSEO業界に参入し、2012年からは自身でアフィリエイトメディアの運用を開始。今日に至るまで、不動産・葬儀・印刷業など様々な分野のウェブサイトコンサルティングを担当。
現在は放置山林問題解決に向け”YAMAKAS”というサービスを開始。
https://yamakas.jp/
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