検索順位を報告できなくなったら、何を報告するか|ページの役割から決め直す

メディコム株式会社 代表取締役の木村です。

順位計測ツールの数字を毎月まとめて、上司や社長に報告している。

そういうウェブ担当者の方から、この1年ほど同じ相談を受けるようになりました。
数字が前月と比べられない、という相談です。

順位はこれからも見ます。
ただ、順位を事業の成果の代わりとして報告するのは、そろそろ無理があります。

そもそも順位は、誰かひとりが見た結果でしかありません

ツールの話に入る前に、前提をひとつ確認させてください。

検索結果は、見る人によって違います。

Google検索のヘルプには「Google 検索の検索結果が他のユーザーと異なる理由」という項目があり、理由が3つに分けて書かれています。

ひとつは時間で、新しいページが絶えず追加され、順位の仕組みの改善が行き渡るまでにも差があります。
ふたつめは検索したときの状況で、現在地、言語、デバイスの種類、関連する検索結果、最近の検索が使われます。
みっつめは、Googleアカウントに保存された情報にもとづく個人向けの調整です。

つまり、順位計測ツールが返す3位は、どこかの条件で測った3位です。
自社のお客さんが見ている画面と同じとはかぎりません。

これは今に始まった話ではなく、ずっとそうでした。

そこに、ツール側の取得制限が重なりました

もともと条件つきだった数字に、2025年から取得そのものの制限が加わりました。

2025年9月、Google検索の結果を1ページに100件表示させる「num=100」という指定が効かなくなりました。
この影響で、当時の順位計測ツールの多くが正しく動かなくなりました。

状況は、海外の検索業界メディアSearch Engine Roundtableが継続して報じています。
同年9月時点でAccuRankerは100位までの計測を取りやめ、初期設定を20位までに変えると発表しました。

Semrushは一部の順位について、更新を毎日から2日に1回へ落とし、上位10位までの結果には影響がないと説明しています。

2026年に入って、リンクの形そのものが変わりました

2026年6月23日、Google検索の結果に出てくるリンクが、サイトのURLではなく「google.com/goto」で始まる中継用のURLに書き換えられている例が報告されました。

Search Engine Roundtableがこれを取り上げたのは7月8日で、8月26日には書き換えが広い範囲まで進んだと報じられました。

順位計測ツールを提供するNozzleのDerek Perkins氏は、次のように説明しています。

The goto links can’t be decoded, so providers will have to follow the redirect links. While that works in small scale tests, Google seems likely to make that tough, since each SERP will have hundreds of links to decode.

書き換えられたURLは中身を読み解けないので、ツール側はリダイレクトを実際にたどるしかありません。
小規模な検証ならたどれるものの、1つの検索結果に数百のリンクがあるため、Googleはこれを難しくしてくるだろう、とPerkins氏はみています。

Googleの広報担当者はこの書き換えについて、次のように答えました。

We have a long history of deploying technical measures against evolving forms of abuse, and we regularly take steps to protect our services and users.

不正利用への技術的な対策を長年続けてきた、という一般的な説明で、goto形式そのものには触れていません。

さらに2026年9月13日ごろからは、Googleによるツール側の遮断が強まったとみられています。
Perkins氏は、自社のツールがGoogleから取得できたデータが8割減ったと述べています。

一方で、取得を続けられているツールもあります。
順位が一切取れなくなったわけではなく、ツールによって見えているものが違う状態になりました。

なお、この時期は「検索順位 チェックツール」というキーワードの検索数も減っています。
ラッコキーワードで調べると、月間検索数は2025年9月の1,000回を山にして、2026年8月には170回まで落ちていました。

ほかのキーワードも全体に減っているため、因果関係までは分かりません。

出典:ラッコキーワード(2026年10月6日取得/日本国内・日本語/集計期間24か月)

Search Consoleの数字も、同じ時期に動きました

自社のデータであるSearch Consoleなら大丈夫かというと、こちらにも事情があります。

num=100が効かなくなった直後、表示回数が減ったサイトが相次ぎました。
Tyler Gargula氏が約320のプロパティを調べたところ、87.7%で表示回数が減り、77.6%で検索結果に表示されたクエリの種類が減っていました。

検索結果を自動で取得するツールによって発生していた表示が消えたのではないか、という指摘があります。

ただしGoogleはこの因果関係を認めていません。
表示回数が減った件についてGoogleの広報担当者は、次のように答えています。

The use of this URL parameter is not something that we formally support.

このURLパラメータの利用は、正式にサポートしているものではない、という意味です。
減少が意図した変更なのか、それとも数字の補正なのかには、直接答えていません。

このとき平均掲載順位は上がったように見えましたが、下位で拾われていたキーワードが消えた結果とみられます。
数字が良くなったのではなく、母数が変わりました。

そもそも、クエリの一部は最初から見えません

Search Consoleのヘルプには「匿名化されたクエリ」という項目があります。

ユーザーのプライバシーを保護するため、一部のクエリはレポートから除外されます。このようなクエリは匿名化クエリと呼ばれます。クエリフィルタ(特定の文字列を含むクエリや特定の文字列を含まないクエリなど)が適用されない限り、グラフの合計数に含まれます。

グラフの合計には入っているのに、一覧には出てこないという状態です。

Ahrefsは2026年2月、Search Consoleのプロパティ887,534件・220億クリックを対象にした調査を公開しました。

2025年4月のデータで、匿名化クエリが46.77%を占めています。
同じ調査には、2022年が46.08%、2024年4月が45.02%という数字も並んでいます。

3年を通して半分近くが見えない状態が続いていて、増えた減ったという話ではありません。
キーワードの一覧だけを見て、検索した人の全体像をつかむことはできない。

そう考えておくほうが安全です。

報告する相手が本当に知りたいことは何か

ここまでをまとめると、順位は条件つきの数字であり、その取得にも制限がかかり、クエリは半分近く見えません。

やめたほうがいいのは、順位を見ることではなく、順位を事業の成果の代わりとして報告することです。
社長や事業部長が順位を聞くのは、このサイトが仕事につながっているのか、つながっていないならどこで止まっているのかを知りたいからです。

代わりになる指標は、サイトの中にあります。
どのページが入口になり、そこから次のページへ進んでもらえているか。
そして、どのページを見た人が問い合わせまで来たか。

これは自社のアクセス解析で追えますし、検索結果を外から取得するのとは違って、測り方を自社で決められます。

報告に使う数字の置き換えを示した図。外から取ってくる数字として検索順位・表示回数・クエリの一覧が並び、それぞれ条件によって変わる、数え方が変わった、半分近くが出ないと書かれている。これを、自社で持てる数字である入口のページ・次へ進んだ人数・問い合わせの経路に置き換える。
報告の土台を、外から取る数字から自社で測れる数字へ移します。

手順1:ページの一覧を作り、主目的を1つずつ書く

まず自社サイトのページを全部書き出します。

サイトマップのXMLファイルを開くのが確実で、Search Consoleのページレポートと突き合わせると漏れを見つけやすくなります。
表計算ソフトに貼り付けて、1行1ページにしてください。

次に、各ページの右側に主目的の列を作ります。

主目的は、そのページが訪問者に対して何をする場所なのかを一言で書きます。

  • 悩みを言葉にして、理解してもらうページ
  • 自社のやり方を説明して、納得してもらうページ
  • 実績を見せて、信用してもらうページ
  • 問い合わせを受け取るページ

大事なのは、1ページに1つだけ書くことです。
2つ書きたくなるページは、たいてい2つとも中途半端になっています。

主目的が書けないページは、作ったときの狙いが失われているか、ほかのページと重なっています。
ここで統合や削除の候補が見つかります。

手順2:そのページから、次にどこへ進んでほしいかを決める

主目的を書いたら、その隣に「次に見てほしいページ」の列を作ります。

目安として、1ページにつき1つから2つに絞ります。
数そのものに根拠はなく、どれを押してほしいのかを書き手の側がはっきりさせるために絞ります。

決めたら、実際のページ内にそのリンクがあるかを確認します。
ないページがかなり出てくるはずです。

ここが一番手を入れやすく、効果も出やすい場所です。

リンクの文言は「詳しくはこちら」ではなく、進んだ先に何があるかを書きます。
「導入事例を見る」より「製造業での導入事例を見る」のほうが、押してもらえると考えています。

遷移できているかは、アクセス解析で確かめられます

GA4には「経路データ探索」という機能があり、始点にページを指定すると、その次に見られた画面やイベントが上位5件まで出てきます。

設計したとおりに進んでいるページと、進んでいないページが分かります。

手順3:報告は、ページ・遷移・成果の3段で書く

数字がそろったら、報告の形を変えます。

順位を1行目に置くのをやめて、次の3段で書いてください。

  • どのページから入ってきたか
  • そこから次のページへ何人進んだか
  • そのうち何件が問い合わせになったか

たとえば、こうなります。

「製造業向けの記事から入った人が先月より120人増え、導入事例ページへ進んだ人が38人から57人になり、問い合わせは2件から4件に増えました」

順位が3位になりました、より伝わります。
商談や受注の数字を事業側から出してもらえるなら、4段目として足してください。

そこまでつながると、サイトの話が事業の話になります。

売り込むページと、教えるページを混ぜない

手順1で主目的を1つに決めると、ページは自然と2つの性格に分かれます。

自社のサービスを売り込むページと、読み手の疑問に答えるページです。

疑問を調べて来た人は、途中から売り込みが始まると読むのをやめます。
逆に、もう検討している人へ前提の説明を長々と読ませると、肝心の価格や導入の流れにたどり着きません。

リンクの向きは、数ではなく目的で決めます。
教えるページからは、次に検討してほしいサービスのページへ進んでもらいます。

サービスのページからも、判断に必要な導入事例やよくある質問へは出し、判断に関係のない解説記事へは出しません。

まとめ

順位が見えにくくなったのは、こちらの落ち度ではありません。

Googleが検索結果の自動取得を防ぐために取った対策の結果とみられ、外から取れる数字は今後も減る可能性のほうが高いと考えています。

だからといって、順位を見るのをやめる必要はありません。
順位は、直す場所を見つけるための材料として今までどおり使えます。

変えるのは報告のほうです。

ページの主目的を決めて、進んでほしい先を決めて、そこを通った人が何件の問い合わせになったかを書く。
やることは地味ですが、順位を眺めているより、サイトは良くなります。

参考にした情報源

– Google 検索 ヘルプ「Google 検索の検索結果が他のユーザーと異なる理由」
– Search Engine Roundtable「Google Search Testing Dropping 100 Search Results Parameter」(2025年9月12日)
– Search Engine Roundtable「Most Third Party Google Search Tracking Tools Are Broken」(2025年9月15日)
– Search Engine Roundtable「Google Somewhat Comments On Search Console Impressions Dip With 100 Results Change」(2025年9月18日)
– Search Engine Roundtable「Impact Of Google Blocking Bots On Search Console Data」(2025年9月22日)
– Search Engine Roundtable「Google Testing google.com/goto As Tracking URLs In Search Results」(2026年7月8日)
– Search Engine Roundtable「Google Search Rolling Out google.com/goto Tracking Parameters」(2026年8月26日)
– Search Engine Roundtable「Google May Be More Successful In Blocking Scrapers & Tracking Tools」(2026年9月18日)
– Ahrefs「Anonymized Queries Make Up Nearly Half of Google Search Console Traffic」(2026年2月11日/Patrick Stox)
– Search Console ヘルプ「パフォーマンス レポート(検索結果): ディメンションとデータのグループ化」
– アナリティクス ヘルプ「[GA4] 経路データ探索」

プロフィール

木村 正晴
木村 正晴代表取締役社長
2009年からSEO業界に参入し、2012年からは自身でアフィリエイトメディアの運用を開始。今日に至るまで、不動産・葬儀・印刷業など様々な分野のウェブサイトコンサルティングを担当。
現在は放置山林問題解決に向け”YAMAKAS”というサービスを開始。
https://yamakas.jp/
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