AI検索対策で構造化データを増やすのは順番が逆。まずページに書くことを意識せよ

メディコム株式会社 代表取締役の木村です。

最近はお客さんから「◯◯のページに◯◯の構造化データをいれたほうがいいですかね?」と質問される機会が増えてきています。
おそらく生成AIと壁打ちした内容の一部をお送りいただいているのかなと思います。

今回は「AI検索対策として構造化データを入れましょう」と提案された経営者の方に向けて、その提案を受ける前に確認してほしいことをお伝えします。

きっかけはYuwai株式会社の田中さんが書かれた記事です。

参考:Google Merchant Center の「会話属性」だけを実装するのは罰ゲームだと思う

商品ページに書かないままGoogle専用のフィードにだけ情報を書き続けるのは順番が逆だ、という指摘でした。
まったく同じことがAI検索と構造化データの間でも起きています。

Yuwai田中さんの記事で書かれていたこと

Google Merchant Centerには「会話属性」という項目があります。
商品について、ユーザーが知りたいであろうことを登録しておく欄です。

ここだけを埋める作業が罰ゲームだと元記事は書いています。
理由は2つあります。

  • 商品ページには表示されない内容を、商品ごとに登録し続けることになる
  • その情報を読むのはユーザーではなくGoogleだけになる

そしてGoogle自身のヘルプにも、同じ趣旨の記述があると指摘しています。

注: 商品説明 [description]、商品に関する情報 [product_highlight]、商品の詳細 [product_detail] 属性ですでに具体的な詳細情報を登録している場合は、会話属性にそのデータの複製を再度指定する必要はありません。

つまり先にページと既存の属性を整えるのが本筋で、会話属性はそのあとの補足だという話です。
この構造を頭に置いたまま構造化データの話に移ります。

Google自身が「構造化データに過度に注力するな」と書いている

Googleは2026年7月10日更新の公式ガイドで「生成AI機能向けの最適化」についてまとめています。

そのなかに「やらなくていいこと」を並べた一覧があり、構造化データはそこに入っています。

Overfocusing on structured data: Structured data isn’t required for generative AI search, and there’s no special schema.org markup you need to add. However, it’s a good idea to continue using it as part of your overall SEO strategy, as it helps with being eligible for rich results on Google Search.

公式の日本語版はこうなっています。

構造化データに過度に注力する: 生成 AI 検索に構造化データは必須ではありません。また、特別な schema.org のマークアップを追加する必要もありません。ただし、Google 検索のリッチリザルトの対象となる助けとなるため、SEO 戦略全体の一部として引き続き使用することをおすすめします。

同じ一覧にはllms.txtというファイルは不要だという項目や、コンテンツをチャンク化する必要はないという項目も並んでいます。
つまり「AI検索対策として構造化データを大量に入れる」は、Googleが名指しで挙げた思い違いのひとつです。

順位についてもGoogleのJohn Mueller氏が2025年4月に書いています。

Structured data won’t make your site rank better.

構造化データがサイトの順位を上げることはないという趣旨です。

ページに書いていないことは、構造化データに書いても読まれません

ここが元記事の指摘と重なる部分です。
ページに書かないまま別の置き場だけを埋めても読み手には届きません。

構造化データでも同じことが起きるのか、実際に試した人がいます。

本文に書いたページだけが読み取られました

Julio C. Guevara氏が行った実験がSearch Engine Roundtableで紹介されています(2025年9月15日)。
架空の商品ページを2枚用意してGeminiとChatGPTに読ませたものです。

  • 1枚目:本文にテキストとして情報を載せ、加えて構造化データも入れた
  • 2枚目:構造化データだけを入れ、本文には何も表示しない

価格・色・SKU番号を答えさせる指示を何百回も試したそうです。

Surprise, surprise: this only worked on the page with information visible as text.

うまくいったのはテキストとして情報が見えているページだけだった、という結果です。
構造化データにだけ書いた情報は返ってきませんでした。

逆にでたらめな構造化データが読まれてしまった実験結果も

もうひとつ、逆向きの実験があります(2026年2月6日)。

Mark Williams-Cook氏が架空のTシャツ会社のページを作り、住所を本文には書かず正しくない形式の構造化データの中にだけ書きました。
ChatGPTもPerplexityも、その住所を読み取ったそうです。

It does not matter if it is valid schema. If the system interprets the text as relevant to the prompt, it is included.

有効な構造化データかどうかは関係なく、テキストとして関連があると判断されれば拾われるという趣旨です。

この2つ、実は結果の向きが揃っていません。
前者では構造化データの中身が読まれず、後者では読まれています。

そこから言えるのは、構造化データに書いた情報が読まれるかどうかは「その時々のAIの実装しだいで安定しない」ということです。

読まれる保証のない置き場にページに書いていない情報を置いておく理由はありません。
ページに書けば済む話です。

Googleのガイドラインも「表示されていないものをマークアップするな」と言っています

構造化データの一般的なガイドラインには、次の記述があります。

Don’t mark up content that is not visible to readers of the page.

公式の日本語訳はこうです。

ページの読者に表示されないコンテンツをマークアップしないでください。

これは「こうするとよい」という助言ではありません。
構造化データの一般的なガイドラインの「品質に関するガイドライン」という章に置かれた項目です。

そして違反した場合にどうなるかも同じページに書かれています。

ページに構造化データの問題がある場合は、手動による対策が実施される可能性があります。構造化データに関する手動による対策が実施されると、ページがリッチリザルトとして表示されなくなります。ただし、Google ウェブ検索でのページの掲載順位には影響しません。

手動による対策というのは、Googleの担当者が個別のサイトに対して行う措置のことです。

実際にSearch Consoleのヘルプを見ると、手動による対策の一覧に「非表示のコンテンツで構造化データが検出された」という項目が用意されています。

ユーザーに表示されない要素で構造化データが検出されました。これは Google のガイドラインに反します。

参考:Google Search Console ヘルプ「手動による対策レポート」の「構造化データに関する問題」

順位が下がるわけではないので、そこまで大きな影響ではありません。
しかしAI検索で拾ってもらうつもりで非表示の情報を詰め込むと、拾われないうえにリッチリザルトを失う可能性だけが残ります。

得るものより失うもののほうが大きい話です。

ここまではガイドラインの話でした。
では実際に効果があるのかどうか見ていきましょう。

構造化データを増やしても、AIに引用される回数は増えていません

Ahrefsが2025年8月から2026年3月にかけて行った調査です(Search Engine Roundtable、2026年5月13日)。
JSON-LDの構造化データを追加した1,885ページと、条件を揃えた対照群4,000ページを比べたものです。

結果はこうでした。

  • Google AI Overviewsでの引用:追加した群のほうが4.6%少ない(統計的に有意)
  • AI ModeとChatGPT:わずかに増えたが、統計的に有意ではない

調査を行った側も、増えた分については偶然の範囲を出ないと書いています。

あくまでこれは1つの調査であって、構造化データの効果がゼロだと確定したわけではありません。
それでも「入れれば引用が増える」と言い切れる根拠は、今のところ見当たりません。

構造化データを全て捨てる話ではありません

ここは誤解されやすいところなので、はっきり書いておきます。

構造化データが不要になったわけではありません。
Mueller氏は2026年1月に、構造化データがLLMの理解を助けるかという質問へこう答えています。

the short answer is yes, no, and it depends.

短く言えば、はいでもありいいえでもあり場合による、ということです。
続けて具体例も挙げています。

Pricing, shipping, availability for shopping is basically impossible to read in high fidelity & accurately from a text page, for example.

買い物における価格・配送・在庫の情報は、テキストのページから正確に読み取ることがほぼ不可能だという指摘です。

価格や在庫は書き方が店ごとにばらつくうえ、頻繁に変わります。
だからこの領域では、機械が読める形で別に渡す意味があります。

なおこの回答について、Mueller氏自身が公式のガイダンスではないと断っています。

もうひとつ、これは別の機会になりますが、2025年11月にはタイプの入れ替わりについてこう書いています。

Understand that markup types come and go, but a precious few you should hold on to (like title, and meta robots).

「マークアップの種類は現れては消えるもので、手放してはいけないものはごく少ない」という趣旨です。
実際、この1年ほどでいくつもの構造化データが検索結果から消えました。

  • 2025年6月発表:書籍アクション、コース情報、主張の審査、給与推定額、学習用動画、特別なお知らせ、車両リスティングの7種類
  • 2026年1月:練習問題
  • 2026年5月7日:FAQリッチリザルト

このうち書籍アクションだけは、まだこのマークアップを使う機能が残っているとして2025年11月に撤回されています。

このあたりは以前まとめています。

参考:7種類の構造化データのサポートを終了、とGoogleが発表しました。

構造化データ終了の理由をAIのせいだと読むのは正確ではありません。
Googleは、検索での利用が少なく、表示による付加価値がもう大きくないからだと説明しています。

まとめ

やるべき順番は3つです。

  • まずページに書く
  • 書いた内容を構造化データで写す
  • 実装する構造化データはリッチリザルトが用意されているタイプに絞る

この順番を守っていれば、構造化データは今までどおり役に立ちます。
逆にしてはいけないのが、ページに書かないまま構造化データにだけ情報を積むことです。

AIには読まれず、Googleのガイドラインには触れ、更新の手間だけが毎月残ります。

「AI検索対策で構造化データを入れましょう」と提案されたときは、ひとつだけ聞いてみてください。
その情報は、ページに書いてありますか。

書いていないのであれば、先にページへ書くほうが早いです。
前回もお伝えしたとおり、同じ工数をかけるなら事例を1本増やすほうが効きます。

参考:AI検索が増えるなかで、BtoB企業が最初に手を入れるべきは導入事例ページ

参考にした情報源

Yuwai株式会社「Google Merchant Center の『会話属性』だけを実装するのは罰ゲームだと思う」(2026年9月2日)
Google 検索セントラル「Google 検索の生成 AI 機能向けに最適化するための Google のガイド」(2026年7月10日更新)
Google 検索セントラル「構造化データの一般的なガイドライン」
Google Search Console ヘルプ「手動による対策レポート」
Google 検索セントラル ブログ「検索結果ページの簡素化について」(2025年6月12日)
Search Engine Roundtable「Google Again Says Structured Data Does Not Make Your Site Rank Better」(2025年4月15日)
Search Engine Roundtable「Structured Data Does Not Help With Visibility In AI Search」(2025年9月15日)
Search Engine Roundtable「Report: ChatGPT & Perplexity Treat Structured Data As Text On A Page」(2026年2月6日)
Search Engine Roundtable「Study: Adding Schema Did Not Improve AI Citations On Google, ChatGPT & More」(2026年5月13日)
Search Engine Roundtable「John Mueller (Personally) On If Schema Helps With LLMs & Google」(2026年1月2日)
Search Engine Roundtable「Google Is Not Killing Schema – Markups May Come & Go」(2025年11月11日)

プロフィール

木村 正晴
木村 正晴代表取締役社長
2009年からSEO業界に参入し、2012年からは自身でアフィリエイトメディアの運用を開始。今日に至るまで、不動産・葬儀・印刷業など様々な分野のウェブサイトコンサルティングを担当。
現在は放置山林問題解決に向け”YAMAKAS”というサービスを開始。
https://yamakas.jp/
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